今日娘が5歳の誕生日を迎えました。本当にすくすく元気に育っていて今では毎日幼稚園に通っています。英語もどんどんペラペラと上手になっていて、すでに発音では僕の先生です。本を読んであげるたびに訂正されて「お父さん、そこは私が言うから読まないでいいよ」といった感じです。しっかり者の可愛いお姉ちゃんです。
そんな日に、思い立ってブログを書くとことにしました(随分放置状態ですし)。とりあえず10日間連続で、阿部大輔&津川久里子のニューアルバム「Unite」に入っている10曲について一日一曲ずつ解説していこうと思います。
5年前、子育てが始まり僕の人生はだいぶ大きく変わりました。子供ができて近くに身内の住んでいない我々はどちらか片方が演奏に出る場合は片方が子供と過ごすという生活になりました。ニューヨークのベビーシッターを雇うのもなかなか高いですし、子供が小さいうちはなるべく近くにいてあげたいと言う氣持ちもありました。うちは夫婦でミュージシャンで、子供ができる前までは本当に毎週ギグを一緒にやっているような感じでしたので、必然的に一緒に外で演奏できる機会は激減しました。子育てに大きな喜びと充実感は感じつつも、音楽活動面ではなかなか思うように仕事も練習も外出もできず未知の子育てへの先の不安も重なり、色々なモヤモヤした氣持ちが渦巻き葛藤している感じでもありました(今でもそういう時もありますが)。
そんな中生まれたのが久里子とのデュオプロジェクトです。外で演奏できないなら家でやればいいじゃんというわけです。なかなか厳しい生活の中で機材もなんとか揃えてとったのが一枚目の「Pure Songs」です。プロジェクトのコンセプトは飾らない子供のような自然体の音楽。ミックスとマスタリングは、長年活躍する素晴らしいエンジニアの内藤克彦さんにお願いした以外は、ジャケットのデザインから全部ホームメイドです。高級なクラブで着飾って聴きにいく音楽も良いですが、家でリラックスして奏でる音楽もまた違った良さがあると思っています。
というわけで2枚めの「Another Journey」に引き続き今月リリースしたのが3枚目の「Unite」。
過去の2作は、オーバーダブ一切なしの純粋な一本のギター、一本のベースのみの音楽にこだわりましたが今回は基本的なオーガニックな要素は残しつつも歌を入れてたり、多少オーバーダブをしたりとより思いついことは制限せずに自由にやったので結果的にバラエティーに飛んだ作品になったと思います。
前置きが長くなりましたが、その新作の一曲目に入っているのが童謡の「ふるさと」です。
今年でアメリカで生活して20年目ですが、近年より故郷の日本の文化をより勉強したり考えたりするようになりました。アメリカに来る以前は自分も含めて多くの日本のミュージシャンがジャズを演奏していて、そのフィールの何かが本物と違うな?これでいいのかな?と疑問を感じていました。それは日本にいてもその問いの答えは永遠にわからないのではないかと思い、アメリカに行くしかない!と思い、その後留学をきっかけにアメリカに来て今に至るわけです。そして最初は自分に染みついている日本的なものは全部ダサいと思って(カッコつけようと思っても自然に出て来ちゃうので)、そのダサさを取り除いて、自分の憧れる”本物”みたいに弾けるようになりたかったわけです。ニューヨークに来てしばらくたって、ようやく自分がニューヨークのシーンなどで受け入れられたりして大分本場のフィールが掴めてきた感覚が出て来ました。が、それと同時に、なんか誰かの真似しちゃってる自分に氣付いてそれがなんだかあんまり喜ばしく無いというかかっこ悪い感じに思えてきたのです。そこでまた一度はあれだけ消したかった日本人らしさを表に出していってより自分らしい語り口で音でなおかつこちらのミュージシャンまたオーディエンスと共感していけるようにしたいという思いで今では日々演奏しています。
今子育てしていて童謡が流れるおもちゃとかも家に転がってて、色々な童謡を子供と歌ったりすることもあるのですが、歌詞までしっかり覚えてる自分にビックリします。そんなに自分に染みついている童謡はまさに自分のルーツだと思います。この「ふるさと」本当に素敵な曲で海外にいる今の自分の心境をとても表しているような氣がして運命を感じています。我々のバージョンを氣にいっていただければ幸いです。
とりあえず一曲目はこの辺で。また明日書きます!
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